危険な駆け引き: 愛と勇気のマッケンジー家 (MIRA文庫 LH 1-13)

  • ハーパーコリンズ・ジャパン (2005年12月1日発売)
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感想 : 11
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「その男をとめて!」混雑したロビーでサニーは叫んだ。搭乗便の出発のめどが立たないうえに、今日中に届ける約束の書類をひったくられるとは。すると前方で、長身の男が犯人を取り押さえた。その恩人との出会いは、サニーにさらなる幸運をもたらす。チャーター機のパイロットだという彼が、足止めされたサニーを目的地まで送ると言うのだ。思わずサニーはチャンスと名乗る彼の厚意に飛びついた―すべては仕組まれたシナリオどおりだとも知らずに。

リンダの「愛と勇気のマッケンジー家」シリーズの五作目。<br>
リンダの国家のためなら嘘も策略も必要というお話しなので、どうにも後味はあまり良くない。マッケンジー家の物語の最終話でなければ、読まなかったかも。ヒロインはたまたまテロリストの娘として生まれ巻き込まれただけだし、そんなヒロインから情報を引き出すためならセックスも厭わないっていうのは、ヒーロー像としては最低。しかもヒロインが妊娠さえしなければ、結婚しようとも思っていなかったわけだし。<br>
生まれによって持たざる得なかったヒロインの不屈の精神は感服するしかない。絶望的な状況でも、やってみようとする精神力の強さは凄い。そしてそんなヒロインなのに敢えて危険な目に遭わせようとするヒーローの最低さが際立ってしまう。<br>
ただ産まれた息子にウルフと名付けたヒーロー、そうなるまでの葛藤は心にしみる。シリーズを通して描かれてきた孤独で愛を知らない少年だったヒーローが、不屈で純粋な心根のヒロインに出会って危険な一線から足を洗う決心ができたことは喜ばしい。あと良かったのはマッケンジー家の人々の大団円が読めたこと。瀕死の重傷を負ったヒロインはもっとヒーローに冷たくしても良かったけど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス・事件事故
感想投稿日 : 2009年2月25日
読了日 : 2009年2月25日
本棚登録日 : 2009年2月25日

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