友だち幻想 ――人と人の〈つながり〉を考える (ちくまプリマー新書)

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本棚登録 : 220
レビュー : 18
著者 :
あすけさん  未設定  読み終わった 

全てを共感しあう人間関係など築けない。お互いを尊重し、分かり合えないコトを互いに理解するのが大人

●感想
 友達なんて要らない、と主張する本かと思ったら、違いました。一人でも生きていくこと自体はできるこの社会において、どう人と付き合っていくのかを真面目に論考している本です。人間関係は、喜びの源泉であり、かつ悩みの源泉でもあります。人とは適切な距離を保ちつつ、いいバランスで付き合っていきたいものです。

■本書を読みながら気になった記述・コト
●>>「一人でも生きていくことができてしまう社会だから、人とつながることが昔より複雑で難しいのは当たり前だし、人とのつながりが本当の意味で大切になっている」ということが言いたい

●>>「幸福」の本質的なモメント
①自己充実
②他者との「交流」
(イ)交流そのものの歓び
(ロ)他者からの「承認」

●私たちにとって「他者」という存在がややこしいのは、「脅威の源泉」であると同時に、「生のあじわい(るいはエロス)の源泉」にもなるという二重性

●>>人びとは一方で個性や自由を獲得し、人それぞれの能力や欲望の可能性を追求することが許されているはずなのに、もう片方でみんな同じでなければなrないという同調圧力の下に置かれているというあり方に引き裂かれてしまっているのです

●>>「子どもの世界はおとなの世界とは違う。子どものころはどんな子どうしでも仲良く一緒になれるはず」というのは、子どもの世界にあまりにも透明で無垢なイメージを持ちすぎなのではないでしょうか。

●>>「やりすごす」という発想――無理に関わるから傷つけあう
「もし気が合わないんだったら、ちょっと距離を置いて、ぶつからないようにしなさい」と言った方がいい場合もあると思います。
 これは、「冷たい」のではありません。無理に関わるからこそ、お互いに傷つけ合うのです。

●>>「ルール関係」と「フィーリング共有関係」を区別して考え、使い分けができるようになること。これが、「大人になる」ということにとっての、一つの大切な課題だと思います。

●>>ルールというものは、できるだけ多くの人にできるだけ多くの自由を保障するために必要なものなのです。なるべく多くの人が、最大限の自由を得られる目的で設定されるのがルールです。ルールというのは、「これさえ守ればあとは自由」というように、「自由」とワンセットになっているのです。

●>>要は、「親しさか、敵対か」の二者択一ではなく、態度保留という真ん中の道を選ぶということです。

●>>先生というのは基本的には生徒の記憶に残ることを求めすぎると、過剰な精神的関与や自分の信念の押しつけに走ってしまう恐れがあるからです。だから、生徒の心に残るような先生になろうとすることは無理にする必要はなく、それはあくまでラッキーな結果であるくらいに考えるべきで、ふつうは生徒たちに通り過ぎれられる存在であるくらいでちょうどいいと思うのです。
→、これ、会社における先輩、後輩の関係にもいえるとおもいます

●>>一生懸命普通にしようとしているんだけど、そこからどうしても力量があふれ出してしまうから個性的な人間なのです。だから、たとえば「ノーベル賞を取れる人材を育てる」といったことを学校が目標し標榜することは、ちょっと違うんじゃないかなという気がします。

●>>価値観が百パーセント共有できるのだとしたら、それはもはや他者ではありません。自分そのものか、自分の<分身>か何かです。

レビュー投稿日
2021年2月11日
読了日
2021年2月11日
本棚登録日
2021年2月11日
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