直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける実践弁証法入門

  • ヤマハミュージックエンタテイメントホールディングス (2020年6月21日発売)
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本棚登録 : 48
感想 : 7
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ひとつの哲学書でありつつも実践的な人生の指南書とも言える本。
相反するものを掛け合わせてまったく別の解を導き出すという弁証法的な発想は、多くの人が日常生活で行っているかもしれない。
しかし、「誰もが意図的にできているか」といえば、難しいのではないだろうか。
なぜなら、「本当に人と意見がぶつかるとき」や「人生に行き詰まったとき」など、大切にしているものに危機が訪れたときほど、相反する意見や考え方に目を向ける余裕がないからだ。
この本では、ソクラテスの時代から使われているという弁証法を、よりテクニカルに使いこなすための手法が書かれている。

ユニークなのが、対立する思考を掛け合わせるだけでなく、自分の人生のなかで、過去と現在をかけ合わせたり、失敗をどう生かすかといったことにまで、弁証法的な手法を使っていること。
著者の体験談や豊富な事例などをもとに平易に書かれているため、非常に理解しやすい。
このような考えを懐にしのばせているだけで、非常に有効な道具として使えるだろう。

ネタバレになるためここでは伏せておくが、弁証法的な手法を身につけたあとの最終講では、すべてをひっくり返す論が展開される。しかし、それが著者のメッセージとして熱く伝わってくる。
ビジネスマンからクリエイターまで、勇気が欲しい人にもおすすめしたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学
感想投稿日 : 2020年6月23日
読了日 : 2020年6月23日
本棚登録日 : 2020年6月22日

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