イギリスの片田舎で資産家のロジャー・アクロイド氏が刺殺される。アクロイドの血の繋がらない息子ラルフ・ペイトンは整った風采ながら金遣いにだらしなく、事件以降姿をくらませていることから、事件の犯人として捜索が続いていた。ペイトンの婚約者で姪のフロラはペイトンの無実を証明するため、探偵を引退し隠遁生活を送っていたポワロに助けを求めるが・・・。
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ヘイスティングズの代わりに語り手兼助手として出てくるシェパード医師がキモになる話。ヘイスティングズと比べると冷静かつ感情的でないから、読者の代弁者の役割とは違うなと思っていたが、読者を騙す側だったとは!奇跡的にネタを知らずに読み始められてラッキーだった。
というか、これまで読んだポワロの多くはヘイスティングズが執筆した手記だったんだということを忘れていて、本作を読んで思い出した。
シェパード医師のお姉さんのキャロラインはミス・マープルの原型らしい。なるほど確かに情報収集能力に優れている。
でも、ポワロのように足を使って真相のパーツを集めていく方が読んでいて楽しいなぁ。本作もポワロのキャラクターが出ていて好きだったし、ポワロの外見、性質の説明が要所でうまく挟まれているなと感じた。訳者の方も訳し方が上手いんだと思う。
冒頭をちょっとばかし読んでみたら、なるほどな犯人視点。
今度読む時は、シェパード医師が犯罪を巧妙に隠そうとするレトリックに着目して読みたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2019年1月27日
- 読了日 : 2019年1月27日
- 本棚登録日 : 2019年1月27日
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