転んでもいい主義のあゆみ 日本のプラグマティズム入門

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  • フィルムアート社 (2021年11月26日発売)
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感想 : 6

一読してディフェンシブな本という印象を持った。予測しうる反論を先取りしてスピーディーに(いささか予期不安的に)論を運んでいた『無責任の新体系』などと比べると、手前の手前で折り返し過ぎた思考が足踏みし、「なにもしない」という消極的な相で滞留しているようにも見える。『無責任』がスピード違反でビュンビュン飛ばしていくオープンカーだとしたら『転んでもいい』は準備万端なのに玄関口に留まっていつまでも出掛けない人のイメージ。
どちらが良い/悪いと言いたいのでない。『転んでもいい』はこの著者の作品のなかでは地味な方に位置づけられそうだが、本書のような思考の段階も何らかの意義があるのではないかと推測する。活力に満ちた本やエポックメイキングな本だけに価値があるわけではないはずだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2022年9月4日
読了日 : 2022年5月2日
本棚登録日 : 2022年5月2日

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