阿片戦争(上) 滄海編 (講談社文庫)

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  • 講談社 (1973年8月15日発売)
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感想 : 9
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 『小説十八史略』『ジンギス・ハーンの一族』と読みすすめ、明時代と清朝成立から隆盛期を飛ばし、いきなり清朝末期『阿片戦争』を読み始める。できれば元滅亡から読みすすめるのが理想なのだが、このあたりの時代で、悲しいかな有名どころの本がないのだ。単にわたしが知らないだけなのかもしれない(笑

 ヨーロッパの列強が清朝に阿片を売りつける。自国では医薬用以外では決して流通することがない麻薬なのである。貿易利益が膨大な阿片は列強には魅力の商品なのだ。『沈黙』ではマカオからポルトガルのイエスズ会宣教師が日本を目指すのだが、将来マカオが阿片の巣窟になる惨状を見ると、いかに産業革命後のヨーロッパ諸国が堕落しているかが伺える。上巻最後のほうで自国民に清皇帝が阿片貿易に厳しい対応で迫る。巨利を貪る商人と賄賂を要求する役人にとって、それが一概に減収につながらないところに阿片の恐ろしさがある。中毒患者は確実にこの国を滅ぼそうとしているのだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 世界史・海外小説
感想投稿日 : 2011年12月19日
読了日 : 2011年12月17日
本棚登録日 : 2011年12月17日

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