八月の六日間

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本棚登録 : 1575
レビュー : 262
著者 :
制作 : 謡口 早苗  大武 尚貴 
ohsuiさん お仕事系   読み終わった 

ここ最近、平日は池袋・ジュンク堂に日参しています。
その中に設置されているカフェで出会ったのがこちら。

といっても、本そのものが置いてあるわけではなく、
とある雑誌での、著者の北村さんと華恵さんの対談にて。

“年を経ていくごとに繰り返して読みたい”、
そんな風に語っておられたのがなんとも印象的で。

主人公はアラフォーの編集女子、副編集長からそろそろ長に。
役を持たない若いころは男性上司を、文字通り泣かしたことも。

基本的には不器用で、ただひたむきに仕事を積み重ねてきた、
それが故に“恋”もうまくこなせずに、未だに一人。

そんな“強い”主人公が、日常から逃れるためにいくのが“山”。
その山登りの様子が、5編からなる連作短編としてまとまっています。

徐々に責任のある立場になっていくことで、
若いころのように“自由”に仕事ができなくなるジレンマ。

それ以上に自分の思い通りになることが無い自然の中で、
その自然の美しさや一期一会の奇跡に魅入られていく主人公。

なお、山歩きの際に必ず“文庫本”を持参するとの設定が、
個人的には何とも素敵だなぁ、、と感じてしまいます。

主人公の職業柄、“本”からは離れられないのでしょうが、
ある意味そんな“仕事道具”を、非日常でどう昇華するのか。

 “ずっと本と一緒だった”

そんな風に本への想いを綴っているのは、華恵さん。
そのエッセイ集、『本を読むわたし』の中にて。

これを狙っての対談であったとすれば、私は見事にやられました。

日常と非日常をつないでくれるのが“本”、
ケでもハレでも、自身の軸を思い出させてくれる、

私にとっての本とはそんな存在なんだなと、あらためて。

久々に人生唯一のトラウマに囚われつつあった自分を、
現実に引き戻してくれた、そんな一冊でもあります、なんて。

レビュー投稿日
2014年6月11日
読了日
2014年6月9日
本棚登録日
2014年6月9日
10
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