
これは一つの命題に対する「界面の物語」、なのでしょうか。
普通に店頭で見かけても、スルーしていただろうなぁ、、との一冊。
エビカツ読書会でご紹介いただき、縁あってお譲りいただいて、拝読いたしました。
完全な理系の世界のお話しなのですが、とてもわかりやすく読めました、多謝。
”それは自己複製を行うシステムである。”
「生命とは何か?」、冒頭で既に出ている答えの一つは、
自己複製を行うシステムであるとのこと、、ですが、続きがあります。
もう一つのファクターについて、著者の過去を含めて、
その思考経路をたどりながら、追い求めていく事になります。
”生命とは動的平衡(ダイナミック・イクイリブリアム)にある流れである”
ん、以前、ドラマか何かの恋愛ネタで「DNAレベルから引き合っている」、
なんてフレーズを見た覚えがありますが、なんとなく実感したりも。
”生物には時間がある。”
ラスト、なんとも哲学的なフレーズに行きついた上で、解きほぐされていきます。
時間という概念と、その不可逆性が指し示す「生命」とは、、さて。
どこかミステリーのようでいて、でも、システマチックなガイア理論をも喚起させたりと、
時間という絶対者から、生命として生まれた時に付与されたその「絶対の概念」の行きつく先は、、
生命とは何か?、ある種の哀切さが残る読後感でした、だからこそ美しいのでしょうけども。
- レビュー投稿日
- 2012年11月19日
- 読了日
- 2012年11月19日
- 本棚登録日
- 2012年11月6日
『生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)』のレビューへのコメント
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