新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)

3.90
  • (1273)
  • (721)
  • (1346)
  • (95)
  • (23)
本棚登録 : 9239
レビュー : 889
著者 :
ohsuiさん 短編集   読み終わった 

 facebookでの「千年読書会」というコミュニティにお誘いいただいて、久々に再読。といっても、細かいところはほぼ忘れていましたが、、(汗

 星々の光に照らされて夜空を駆け抜ける、一両の鉄道列車。行き先は“次なる世界”、そして乗客は不帰の人々、になるのでしょうか。

 この辺り、須弥山の思想なんかも感じさせてくれて、ある意味、古来から続く日本の“死生観”が発露されてもいるのかな、と。石炭袋の設定も“黄泉比良坂”の大穴ともリンクしてそうですし、横文字の名前が多いにもかかわらず、不思議と西洋のイメージは残りませんでした。

 なお、私の中での映像イメージは『銀河鉄道999』にだいぶ影響をもらっています。

 どちらも、どこかに“行きて戻りし”物語であることは共通ですが、あちらは“永遠の命”を求めて、こちらは“次の世界”への橋渡しとして。“旅”の果てに求めるものは“幻影”なのか“夢”なのか。999での“時の輪のどこかでまた会える”なんてフレーズを思い出してみたりも。ん、共通しているのは“幸せ”とは何なのか、との点でしょうか。

 この根底には仏教で言う輪廻転生も感じさせられましたが、、これらの“連環”から醒めた時に向き合う“現実”とは、さて。結局のところ、未完のまま取り残されているのですが、この先の物語を夢想してみるのも楽しそうです。

 ジョバンニとカンパネルラは、またどこかの“駅”ですれ違うコトがあったのか、はたまた、時空を越えた“神隠し”からの回帰なんていうコトもあったのか、とも。現世と幽世の境は意外と、近くて薄いのかもしれません、なんて。

 戦前から変わらずに長く読み継がれているのは、その表現の美しさ、儚さもあると思いますが、日本人の死生観という“民族意識の根底”を揺さぶる要素が籠められているのもあるのかな、ともなんとなく。そういった意味では、考えながら読むのではなく、感じながら読む物語なのかも、知れません。

 子どもに読み聞かせようと思ったら、どのような結末で伝えればいいのか、いろいろと模索してみたいところです。

レビュー投稿日
2013年12月27日
読了日
2013年12月10日
本棚登録日
2013年12月10日
11
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)』のレビューをもっとみる

『新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『新編 銀河鉄道の夜 (新潮文庫)』にohsuiさんがつけたタグ

いいね!してくれた人

ツイートする