ちょっと変わったエッセイになるのでしょうか。
塩野さんが、あちこちに発表された文章を集めた一冊になります。
そのコラージュのような在り様がなんとも新鮮で、
読み終えるのがもったいなく、ついつい長期戦になってしまいました。
順番に読むのもいいですが、気まぐれにページを開くのもまた、いいかもです。
航跡で軌跡が表現されているのも、なんとも印象的でした。
そして副題にある「1975-2012」という期間は、、
まさしく自分の軌跡とも重なって、読み入ってしまいました。
個人的には防衛大学卒業式での祝辞で述べられたという、
「一級の武将はイコール一級のシビリアンである」が、ストンと。
古来より、カエサルにせよ、アレキサンダーにせよ、
戦争巧者として名を残す人は、総じて事務(実務)能力も高く、
シビリアン、、いわゆる文官としても一級品であったと。
それが故に、ただ殺戮のために戦争を行っていたのではなく、
可能な限りに「戦闘」は避けて、いかに勝利という結果を取り込むかを考えた、と。
この辺りは、日本で言えば戦国時代の武将達、、
例えば、武田信玄なんかとも共通するのかなと思いました。
戦術的な巧者で終わるのか、戦略を意識して積み重ねていけるのか、、
いろいろと考えさせられたトピックでもありました。。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2013年6月18日
- 読了日 : 2013年2月4日
- 本棚登録日 : 2012年12月22日
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