迷える者の禅修行: ドイツ人住職が見た日本仏教 (新潮新書 404)

著者 :
  • 新潮社 (2011年1月17日発売)
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感想 : 36
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ドイツ人にもかかわらず、日本の禅寺で住職を務めている方の、手記になります。
意外にも、欧米では「禅」が文化の一つとして周知されているそうで。

一貫しているのは「人の生きる意味」についての深い思索、でしょうか。
かといって悟りきっているわけでもなく、折々で懊悩されています。

 「自分だけがまともな修行をしていると思い込んで壁を作り、皆を見下していた」

また、純粋に宗教として見た場合、その理念と現実の乖離には、、
日本の仏教界もかなりドロドロしているなぁ、とも。

といっても、ビジネスとて捉えればそれもある意味道理の一つでもあり、
これはローマ法王などから見るキリスト教も同質の病巣?はあるかな、と。

 「「生きる意味があるか」と問うのは、はじめから誤っている」

ちょうどこの書と入れ違いに読み始めた『知の逆転』で、
「人生は無意味」なんてフレーズが出ていたのとシンクロしました。

それぞれのスタンスも専門も、全く異なっていながらも、
本質として同じことを言わんとしているのは、非常に興味深く落ちてきました。

こういうことがあるから「読書は刺激的」なのだと、思います。

 「人生こそが問いを出し私たちに問いを提起している」

けだし真理であると、実感してしまいました、、
ん、人は常に問われている、その在り様を、なんて。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宗教
感想投稿日 : 2013年6月21日
読了日 : 2013年6月10日
本棚登録日 : 2012年7月25日

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