黄文雄さんと石平さんの対談を収録した一冊。
題名はなかなかに挑発的ですが、分かりやすくまとめられていました。
“中国では、明や清の時代から、中央政府が
地方政府の富を収奪するシステムは変わっていません。”
終わっているというよりは、変わっていないとの感じでしょうか。
変わらないのはどうぞご自由にですが、“こちら”を巻き込まないでほしいですね。。
“金融緩和をすればインフレによる民衆蜂起が起きる可能性が高まり、
金融を引き締めれば不良債権が増大して経済が麻痺する可能性が高まります。”
ただまぁ、このような視座からは“終わっている”とも言えるのかもですが、
緩慢な死を迎えようとしているのか、どこかで一気に凋落するのか。。
どちらにしても周囲に“迷惑”を巻き散らかしそうで怖いですね、、
最近の外圧傾向も、不満を外に逃がしているとみれば、理解はできます。
“アベノミクスの金融政策によって円安が進んだことで、
中国や韓国の輸出競争力が相対的に低下した”
これは裏を返せば、今まではそこらへんの国々に利便をはかっていたとも、
日銀総裁もほんと“利敵行為”に近い状態だったんですね、、変わってよかった。。
“TPPに参加することが日本にとっての安全保障”
最早、政経分離が通じる時代ではなくなってしまっています。
通じるのはあくまで“パクス”の枠組みの中に居る時だけではないかなと。
“日米同盟を基軸にして、ロシアやEU、
そして中国と韓国以外のアジア諸国との連携を進めていけばいい。
日本にとっての友好国はいっぱいあるのです。”
この期に及んで、中国とも付き合っていかないとと言っているのはなぁ、、と。
少なくとも経済的な進出はないかな、、と、自社をみながら思います(反面教師的に)。
“(中国当局は)「自由・人権といった普遍的価値」など
7つの項目を教えてはいけないという通達を出しました”
これは「普遍的な価値観」を共有できないと、そう宣言していると思います。
「自由と繁栄の弧」などとは相反する内容ですし、敬して遠ざけたいですね。
“中国が現在直面している問題は、もはや経済成長といったレベルではなくて、
人間としてどうやって生きていくのかという問題になっています”
ここまで来てしまうと、現地に行くのすら恐ろしいのですが、、
なんにせよ、70年前の過ちを繰り返さないように、教訓としておきたいですね。
それにしてもやはり、石平さんは面白いです。
宮崎さんとの対談とあわせて読むと、先読みの視点も得られてふむふむと。
しばらくその“論”を追いかけたい方の、お一人です。
- 感想投稿日 : 2013年12月6日
- 読了日 : 2013年10月9日
- 本棚登録日 : 2013年10月9日
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