ギリシャ棺の謎 新訳版 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2014年7月30日発売)
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本棚登録 : 317
感想 : 18
4

献本でいただいた一冊。
エラリー・クイーン、十何年ぶりでしょうか。。

舞台はアメリカ、時代は1930年代、になるのかな。

主人公は著者と同名の、エラリー・クイーン。
その若き日の物語、、大分イケメンのようです。

事件の発端は美術商・ハルキスの死。
これ自体は自然死で、特に問題はないと思われたのですが、、

死の直前に彼の“遺言状”が書き換えられたこと、
そして、その遺言状が紛失されたところから物語が始まります。

なんといっても、登場人物の多さにビックリです。
巻頭に上がっているだけでも、約30名。

その人物相関図を思い浮かべるだけで、なかなかに混乱でした。
で、そんなこんがらがった状態を解きほぐすのが、、

大学を卒業して間もない、若き日のエラリー・クイーン。
警視を父に持ち、頭のよさでやや天狗状態でもあります。

意気揚々と推理した“遺言状”の在処からは、
見知らぬ男の死体が出てきたり(第二の事件)、、

ハルキス氏が死の直前にあっていたというシーンの推理を、
いとも簡単にひっくり返されたりと、、

いい感じに鼻をへし折られる様子が、若いなぁ、と。

最後には、その失敗を糧にして見事!になるわけですが、
そこに至る過程もなかなかに興味深く。

また、タイプライターを使ったトリックなど、
当時を偲ばせるネタも多く、ふむふむと。

1930年代のアメリカ文化、意外と違和感なく読めました。

いわゆる“国名シリーズ”に分類されるようですが、
他のも読んでみますかね~、なんて。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年9月16日
読了日 : 2014年9月15日
本棚登録日 : 2014年9月15日

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