様々な方面からアメリカとはどのようなものかを考える
アメリカは広い。日本程度の広さでも南北で気候が違うのに、アメリカはさらに東西にも広い。
そのため当然地理や文化、その他様々なものが違う。
そのような多くの部分が異なるものをまとめるのはとても大変である。
また、平等を謳っているのに差別があったりなど多くの矛盾もある。
しかし、それをうまくまとめているのがアメリカである。
本著ではそんなアメリカを様々な方面から紐解き、アメリカとはどのような国かを考える。
テーマは、
多様と異質
まとまりとバラバラ
個人と団体
自由と平等
競争と区別
を対比して考えるものと、
憲法
19世紀、アメリカほぼ全域を旅したフランス人トクヴィルから見たアメリカ
トランプ元大統領
がある。
読んで感じたことはますます深まる混沌と謎である。
自由と平等を謳っているために、それを得るために競争が過熱し、格差が生まれる。
本書ではアメリカで暮らすことを、「アメリカ人になりきるには、成功を信じつつ終わりのない道を生涯歩かねばならない」とあり、そしてそのことを
山崎正和という人物の言葉を借りて”可能性の泥沼”と書いている。言いえて妙である。
そして、結果得たそれは不安とせわしなさをもたらすという。事実アメリカ人の表情にはいつもある種の影のようなものがあるという。
また、最近のニュースなどで上がってくるポリティカル・コレクトネス(ポリコレ)を本著では、
> 過剰なポリティカル・コレクトネスの傾向は差別をなくそうとするその意図とは逆にむしろ人種差別を容認するかのような昨今の風潮を助長しているように思われる。
と考察している。
- 感想投稿日 : 2021年9月29日
- 読了日 : 2021年9月28日
- 本棚登録日 : 2021年9月29日
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