高校卒業から10年後の同窓会に向けて立ち上げられたSNSに「岸本李矢さんを覚えていますか」という書き込みが。それは当時いじめられ、転校していった少女の名前だった。同窓会時に開封されるタイムカプセル内に彼女が曰くのある“遺言墨”で書かれた手紙を入れたらしいと推測がなされ、いじめていたという認識のなかったスクールカースト上位の面々が何を書かれているのかと不安に苛まれていく。スクールカースト最上位の井ノ川を皮切りにクラスでの様々な立ち位置の人物が一人称で過去と現代を語っていくけどここは嫌な奴の思考回路とか頑張りの報われなさとか立ち位置の不満感とかがリアル。木下のコロナ禍での正義感の振り回し方とか。そして岸本自身の痛さもまた。だからその分最後の尻すぼみ感が残念。しかしこれもある意味リアルか。
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- 感想投稿日 : 2022年11月26日
- 読了日 : 2022年11月12日
- 本棚登録日 : 2022年11月26日
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