Iの悲劇

著者 :
  • 文藝春秋 (2019年9月26日発売)
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産業が衰退し予算に悩む地方都市南はかま市で立ち上げられた市の外れの蓑石村復興プロジェクト。その担当部所「蘇り課」の万願寺はマイペースな後輩観山とやる気ゼロの西山課長と共に一度住人がゼロになった村への移住者の定着に向けて東奔西走するが、小さな事件が次々起き、その度に人は去っていく。よくありそうな騒音問題「軽い雨」や思想の差異によるご近所トラブル「黒い網」の解決では堅実な日常の謎が楽しめる。読み進めていくとじわじわ黒い違和感が滲んできて「白い仏」で最高潮に達した時点で次の最終章、全てを繋げる真相が明かされる構成が上手い。何が正解か。色々ぐるぐる考えさせられる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2021年2月13日
読了日 : 2021年2月8日
本棚登録日 : 2021年2月13日

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