橋の上の「殺意」 <畠山鈴香はどう裁かれたか> (講談社文庫)

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本棚登録 : 69
レビュー : 10
著者 :
okada134さん ノンフィクション   読み終わった 

日本ではとかく勧善懲悪が基本的に支持されるので、殺人者=死刑で裁かれるべき、というのが常に趨勢になる。
そのため死刑廃止論は抹殺されがち。もちろん自分の子供が殺されたら加害者を絶対死刑に頬むりたいって思うだろう。その気持ちはもちろんよく分かる。
だけど裁判とか刑法というのは、そういう被害者感情だけに流されては本来いけないはず。とはいえこの著者もそうだけど、そういうこと言うと叩かれてしまう。
刑法39条の心神喪失者や心神耗弱者に対する免刑・減刑規定により、日本の殺人事件の裁判は、複数の精神鑑定結果報告の解釈が重要視されるようになってしまい、事件の本質がどんどん見えなくなってしまう傾向にあるようだ。
まあ、どんな刑法になろうが、本人が真実を語ってくれなければ、真実は暴かれないわけだけど…
この事件も2人の幼い命が奪われた真相が見えないというやるせなさが残ったまま無期懲役が執行された。
特に本人が事件の核心を健忘してしまっているので、その部分に関する複数の医師の精神鑑定結果のどちらが正しいか?といった裁判の流れは、遺族が傍聴するには耐え難い屈辱だと思われる。
素人が単純に見ると、忘れれば極刑を免れる、という誤解を受けかねない裁判の流れが読んでいて辛すぎた。

レビュー投稿日
2013年9月16日
読了日
2013年9月3日
本棚登録日
2013年8月29日
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