現代日本のような成熟社会では、人々は既に欲しい物をほとんど手に入れているので、お金をばら撒いても銀行の金庫に積み上がるだけ、との説明はシンプルでわかりやすい。我が身を振り返ってみても、確かにどうしても欲しいものなんてほとんど無い(その割にはお金がウチの金庫にだけ積み上がらないのは何故なんだぜ?)。
経済学を学んだことがないので、著者の言うことを完全には理解できないが、所々に出てくる「お金は増えも減りもしない」という原則が、熱力学の第一法則や質量保存の法則と同じで妙に納得できた。
しかしながら、その処方箋については「そんなにうまく行くかな?」と言うのが正直な感想である。現物支給=期限付きのバウチャーは良いアイデアに思えるし、いくつかの提言は国全体としては効果があるのかもしれない。ただ著者が言うほど産業間の労働移動=「玉突きのようなこと」は起こりそうも無いから、結局はある特定の層に所得が集中してお金が金庫に積み上がるだけではなかろうか?
やっぱり良く分からない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
経済経営
- 感想投稿日 : 2013年3月1日
- 読了日 : 2013年3月1日
- 本棚登録日 : 2013年2月24日
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