人が人を裁くということ (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2011年2月19日発売)
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本棚登録 : 397
感想 : 41
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「人が罰せられるのは、自由な意思決定に責任があるからではなく、社会秩序維持のためのスケープゴートとして必要だからである。」

著者は、裁判というものの「常識」を根底から問い直す。
単に司法制度論や刑罰論にとどまらず、社会心理学、哲学など、より根源的なところにまで及ぶ問いかけがなされる。

「どんな秩序であっても、反対する人間が常に社会に存在しなければならない。正しい世界とは全体主義に他ならないからだ。」

非常に多くの示唆に富む、何度も読み返す価値のある本。

第2部で引かれている刑事司法関係の資料が若干古いのが惜しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年9月11日
読了日 : 2016年9月11日
本棚登録日 : 2016年9月11日

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