愛という病 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2010年11月29日発売)
3.45
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本棚登録 : 362
感想 : 33
4

中村うさぎはオカマ、というのにうなずいたり。
閉経というのは、頭がハゲてしまった坊主、というのに爆笑したり。
エロを感じたのがAV女優のたたずまいだというエピソードに切なさを感じたり。
このエッセイのテーマをあえていうなら、「敵はオヤジ」ってところかな。「オヤジのはしゃぎっぷり」とか、耳が痛い。私自身がまわりに感化されてオヤジ目線になっているところがあるので。そのほうが楽なんだよ。内心は違うと思っているんだけどね。
ブルボンヌさんの解説もよいです。あたりまえとされるものをあたりまえと受け取れないのはつらいんだ。でもがんばるぞと思ったり。

中村うさぎの本のことは、ほかの人とは話せない。「ブランド品を買いあさって整形している人でしょ」「ホストクラブをネタにしてエッセイ書いている人でしょ」で終わってしまうから。なんだか踏み絵のような気がしますよ。

中村うさぎのいいところは、韜晦というものがないところです。たまにいいわけしてるけど、人や社会のせいにはしないで、踏みとどまってる。
一生、老年になっても自分と女を追及してもらいたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年12月24日
読了日 : 2011年12月24日
本棚登録日 : 2011年12月24日

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