連合赤軍物語 紅炎 (プロミネンス) (徳間文庫)

著者 :
  • 徳間書店 (2011年2月4日発売)
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感想 : 6
4

連合赤軍の本。
視点がフラットなのがいいです。森や永田を悪者としたり、想像で彼はこう思ったのに違いないと性格を決めつけたりしないで、調査した事実を書いていく感じ。事件のメインじゃない、ひとりひとりの人間の生き方や考え方にも焦点をあてていて、なるほどと思います。
前半は(例によって)退屈だけど、連合赤軍を読み解くには、その前の、日本赤軍やよど号ハイジャック、革命左派の話から知らないとダメなんですね。
一見、大きいことを言うけど行動がともなわなくて細部の甘い赤軍、真面目すぎて極端に走る革命左派。リンチ事件は派閥争いの結果でもあったわけなんですね。
それに、森と永田の性格が合わさり、自己犠牲の覚悟があるほかの党員たちが準じてしまった……という経緯が、ささいな会話や事例からわかります。
とらえられたあとの森と獄内ですれ違った人が、森との思い出を語るくだりが切なかった。
文章がややこなれてないところと、末端の兵士の思考をもうちょっと掘り下げて書いてもらいたかったという思いがあって、☆一つ減。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2011年4月19日
読了日 : 2011年4月19日
本棚登録日 : 2011年4月19日

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