中世ヨーロッパにキリスト教が広がり、人々の中に「天国」や「地獄」と言った概念が埋め付けされていった時、キリスト教会に一つの問題が立ち上がる。善行を常に行うものは「天国」の道を進む。悪行を行ったものは「地獄」へと進む。しかし、咎人は思う、「我々の進む道は地獄しかないのか」と。そのような宗教的フラストレーションを教会は心理的に解消するために「煉獄」という概念を作った。では「煉獄」というものはどのようなものなのか。それが本書で明かされる。現代中世史において、一つの問題作であり、名著である。異論は多くある。しかし、この作品で「煉獄」の概念が再評価されたことは歴史学の大きなターニングポイントである。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
西洋史歴史学
- 感想投稿日 : 2011年2月28日
- 読了日 : 2011年2月28日
- 本棚登録日 : 2011年2月28日
みんなの感想をみる