私小説家、佐伯一麦氏が語る実父の介護から死に至るまでの出来事と、その後の東日本大震災のこと。
連載小説形式で家族の恥部とも言えるような事実や葛藤を描く。自身の離婚と今も続くゴタゴタ、両親に近づこうとしない兄と姉、記憶も体も衰えていく父のことなど。私小説家として、ここまで書かなくちゃならないのか。そんな覚悟、プライドを感じさせる作品だ。
そして、父の死の2年後、連載の途中に起こった大震災。著者の記憶や出来事の順番が混乱しているが、それも含めて「私」の一部として作者は記し続ける。
それにしても父親の認知症が進んでいく過程は読んでいてつらい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
感動モノ
- 感想投稿日 : 2019年8月17日
- 読了日 : 2019年8月17日
- 本棚登録日 : 2019年8月17日
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