ふたり静 切り絵図屋清七 (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2011年6月10日発売)
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感想 : 15

清七、小平次、与一郎の三人の青年らが、
切り絵図を作成し、店を切り盛りしていく、
青春群像に、武士社会のいざこざを盛り込んだ、
読みやすいシリーズものだ。

これまで、時代小説、特に江戸の市井小説を
かなり読んできたのだが、
そのたび、そこに登場する場所や、
橋、川の名前を地図でたどりつつ読んだら、
主人公たちが泣き、笑い、走り回る様が
生き生きと感じられるだろう、なんて、思っていた。

古書店で売られている古地図は、
とてもとても手が出るようなものではなく、
ネットに掲載されている絵図をダウンロードして、
印刷し、楽しんでいる。

清七たちが作る切り絵図、手に取って眺めてみたい。

主人公の清七はもともと、勘定組頭、長谷半左衛門の
次男、清七郎として長谷家に住んでいたが、
半左衛門が女中に産ませた妾腹の子で、
長谷家の奥方から苛め抜かれ、下士同然の扱いを
受けていた。

そして、ついに、我慢の限界を超えた清七は、
長谷家を飛び出し、絵双紙本屋「紀の字屋」の主、
藤兵衛に拾われる。

その後、勘定奉行が関わる不正、殺人など、
もろもろの事件に、紀の字屋で仕事をする仲間、
小平次、与一郎とともに挑んでいく。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 時代小説
感想投稿日 : 2024年2月8日
読了日 : -
本棚登録日 : 2024年2月8日

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