Ceremony (Spenser)

  • Dell (1992年8月1日発売)
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感想 : 1
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スペンサーのGFスーザンが住み、高校のカウンセラーとして働いているボストン近郊の町で一人の少女が姿を消した。もともと反抗的だった彼女はどうやら、ボストンで売春婦をしているらしい。スーザンの頼みでスペンサーは少女、エイプリルを探す。エイプリルを見つけるのは難しいことではなかったが、その背後にあったものはスーザンとスペンサーが予期していたよりもっと大きな州単位の腐敗だった。ホークの助けを借りて、スペンサーは自分の信じる方法でエイプリルを救い、同時に腐敗を暴こうとする。1982年に発表されたスペンサーシリーズ第九作。

スペンサーシリーズでは、女性や子供が犠牲者として描かれることが多い。今回は家に帰りたくない、そしてスペンサーもその理由に納得せざるを得ない不幸な少女が描かれる。彼女を救うためにはどうすればいいのか。スペンサーとスーザンは何度も話し合う。スペンサーがたどりついた結論は、普通の人にはちょっと考えが及ばないようなものだった。しかし、他に選択はなかった。それ以外の選択は、エイプリルがますます深みにはまっていく先行きしか見えなかったからである。

マサチューセッツ州政府の高官の腐敗が描かれており、これもちょっと興味深い。前作のSavage LandはLAが舞台だったので、またボストンに戻ってきて、馴染みのある地名が続々登場するのはちょっと嬉しかった。

それにしても、この小説の中でコンバット・ゾーンとして描かれているのはチャイナタウンの一部であるが、ここは90年代にすっかり一掃されてしまった。もちろん売春婦はまだいるだろうが、今のチャイナタウンでそれらしい場所の面影はほとんどない。出張で来る日本人サラリーマンが嘆くほど、ボストンは清潔な町になった。女性の私としては嬉しいし、チャイナタウンが安全になったのは喜ばしいことなので、何も不満はないが、この作品の中の描写を読んでいると、時代の変遷をしみじみと感じる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2010年11月30日
読了日 : 2010年11月29日
本棚登録日 : 2010年11月29日

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