知的障害のある母親が自分を愛してくれているとわかっている…という段階で読む気を無くした。これほど重度の知的障害があるなら、機能的な妊娠能力があるとしても、無事に出産まで行き着くのは難しいんじゃないか。語り手の子どもの語り口も、環境の割にはまっとうな子ども過ぎる。生まれた時からこういう環境に置かれた子に、子ども時代などない。
異常な環境に置かれた正常な人間は、異常な行動を取り始めるものだ。異常な環境で正常さを保ち続けているように見えるなら、その人は異常な人間だ。
知的障害のある人は純粋で愛情豊かだと言う人もいるけれど、そう信じたいだけじゃないかと思う。愛は全ての人に必要。誰にでも平等に与えられているものじゃない。
人間の中には人を愛する能力を持たない人もいる。
確かに知的障害者は素直で、悪意を持って人を陥れたりしない。でも嫌いなものがわかるから好きなものもわかるように、悪意を持てるからこそ愛情も持てるんじゃないか。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年9月6日
- 読了日 : 2017年9月6日
- 本棚登録日 : 2017年9月6日
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