
能登麻美子おはなしNOTE 2016/07/02更新
女工が恋人のセメントがいつどこで使われたのかを知りたがったのは、それが彼の葬られた日、葬られた場所だからだ。彼女は彼を棺に入れ、死に化粧を施し、死に水を与え、火葬で送ることができない。せめて、恋人がどこへ連れて行かれたかを知りたいのだ。
予三にとって、七人目の子どもは希望ではない。彼の子ども達は、貧しくいつ死んでもおかしくなかった彼の両親であり、いつ死んでもおかしくない彼自身であり、死んでしまった女工の恋人であり、悲しみに張り裂けた心を手紙に託すしかなかった女工だ。予三の子ども、予三の未来は、いつ死んでもおかしくない所から、抜け出すあても見つけられない未来だ。
プロレタリア文学ってすごいな。
黒ごま豆乳かぁ。
- レビュー投稿日
- 2016年7月2日
- 読了日
- 2016年7月2日
- 本棚登録日
- 2016年7月2日
『セメント樽の中の手紙』のレビューへのコメント
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