真田三代 (下) (文春文庫)

  • 文藝春秋 (2014年11月7日発売)
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武田二十四将にも数えられる、幸綱(幸隆)とその子、信綱と昌輝の真田二代。信綱の子、与右衛門へと三代は続くはずだった。長篠がなければ。

幸綱が苦心惨憺の末、旧領を回復しなければ、その後の昌幸とその子、信幸(信之)と信繁(幸村)はなかったし、後の松代藩十代もなかった。

幸綱の弟、矢沢頼綱(綱頼)も。この人いなかったら真田家は保てなかったんじゃないかな。弱小の一族の生き残りをかけた生き方が、ただ凄い。

その矜持が、信繁をして凝縮し、大坂の陣という舞台(までもが充てがわれたとさえ思える)で輝きを放ったとしか思えません。歴史って面白い。

何事も、移ればかわる世の中を、夢なりけりと、思いざりけり (信幸の辞世)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年8月17日
読了日 : 2023年8月16日
本棚登録日 : 2023年8月16日

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