あくたれラルフ

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本棚登録 : 537
レビュー : 75
たまどんさん  未設定  読み終わった 

ちなみに原題は“ROTTEN RALPH”。ROTTENは「ジョニー・ロットン(The SEX PISTOLS)」のロットンと同じ。(人が)あきれた、とか、腐ったという意味。

まず、アメリカなどのキリスト教国は、日本とは「あくたれ」の概念が違うと思う。
この本でラルフは「そんなことやったらみんな困るでしょ?」ということを平然とやり、案の定、みんなから総スカンをくらう。
でも読後改めて頭に次のことが浮かんだ。『結果がどうなるかわかってるはずなのに、なんでそんなことをやってしまうんだろう?』
ここで「人のいやがることはしてはいけません」と言ってしまうのは簡単。でもそう言うだけでは物事はまったく解決しないっていうのは、特にいたずらっ子を持つ親からするとみんなわかってると思う。

もちろん西洋でもラルフがやったようなことをやったら嫌がられるのは日本と同じ。
でも西洋では“神様の前ではどんな人も平等”っていう考え方があるからなのかな? どんな「あくたれ」があっても最後にはお互い歩み寄れてハッピーエンドていうのが、アニメでも多いような気がする。

ここで、日本での道徳の教科化から考えてみると、どうも「人のいやがることをするのはやめましょう」で授業が終わってしまうような気がする。

そんなの言われなくてもわかってるって!

道徳の時間に本当に学習すべきなのは『それなのになぜ「あくたれ」なことをやってしまう人がいるのか?』、それと『「あくたれ」なことをしたりされたりしたあと、どう付き合っていけばいいのか??』だと思うけどねえ、文部科学省さん?

その答えをラルフが出してるとは言えない(と言うか、そんな簡単に答えは出ない)けど、子どもにこの本を読んで「他人の気持ちになって考えましょう」とか訳知り顔で親や先生が言って終わりっていうのはあまりにもつまらない。
「善人なおもて往生をとぐ いわんや悪人をや」。
子どもは大なり小なり、心の中に「あくたれラルフ」を隠し持ってるはず。聞き分けのいい『よいこ』のほうがある意味怖い。子ども自身に、自分のなかに潜む「ラルフ」をちょっとでも気づかせられるきっかけになれば、読み聞かせた甲斐もあるってものだろう。

レビュー投稿日
2017年4月19日
読了日
2017年4月19日
本棚登録日
2017年4月19日
2
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