空の中 (角川文庫)

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本棚登録 : 18413
レビュー : 1639
著者 :
osmanthusさん 和書   読み終わった 

タイトルが示す通り、空の中、と地上との間に起こる
少し不思議なやり取りを中心として物語は進んでいく。

大人と未成年の二組のカップルを配置することで、二つの視点を置き、二つの物語はパラレルに進む。子供のもつ戸惑い・大人のもつ戸惑い。一見別のようであり、その心の中での折り合いの付け方は、結局シンプルな言葉で表されるものに集約されていく。

ナレーター役の青年のものごとへの向き合い方が
とてもフラットで好感が持てるし、彼ゆえに引っ張られて読み続けられた。
その青年を感服させる老人の登場で、ふと自分自身の
在り方をも振り替えさせられる。なかでも‘賢しくない’という言葉は私の胸にストレートに突き進んできた。

お話はおもしろい。
ただあえて言うなら、物語の中でその世界が広がって息づいていく、と言うタイプの作品ではない。
語るべきストーリーがあり、そのストーリーのあちらこちらに散りばめられた光る語りが読後に残る。そういう作品だと思う。だからきっとこの作者の作品は今、映像の世界で引く手あまたなんだろうなぁ、と思う。

ネタバレになるので詳細は伏せますが、実は、空の中、の模様こそに、深い所に届くような真実があるという気がしている。

レビュー投稿日
2014年5月27日
読了日
2014年4月30日
本棚登録日
2014年5月27日
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