論理の方法: 社会科学のためのモデル

著者 :
  • 東洋経済新報社 (2003年4月1日発売)
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感想 : 25
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 故小室博士の著作の多くは「~原論」というタイトルのものがいくつかあるが、本書はいわば「社会科学原論」と言えるだろう。小室博士の思想のベースとなった社会科学モデルとして、古典派経済学モデル、ケインズ経済学モデル、マクスウェーバーの宗教と資本主義精神モデル、丸山真男の日本政治モデル、平泉澄の日本歴史モデルが紹介されている。
 社会科学分野では、自然科学のように実験で理論を検証することは容易ではないが、小室氏は抽象化したモデルを考案し、現実の事象を理解するための補助線として利用することを推奨している。小室博士は一般向けの啓蒙書も多数執筆しているが、その多くは上記のモデルから導き出したものであり、ソビエトの崩壊等、現実の出来事を事前に予見した事例もある。
 小室氏の著作にすでに氏の著作を多数読んでいる方にとっては復習的な内容かもしれないが、小室氏が価値を認めたモデルを再確認することは現代社会を理解するうえでの手がかりになるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会
感想投稿日 : 2016年3月21日
読了日 : 2016年3月21日
本棚登録日 : 2016年3月21日

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