東京奇譚集 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2007年11月28日発売)
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感想 : 880
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処分する前に読む母の村上本 その②
5つの短編集 1日でさらっと読める

前回久しぶりの村上本「1Q84」で気になった言葉がここにも

1話の「偶然の旅人」で姉にゲイだと告げたあと別れてしまった弟が

「説明なんかしたくなかったんだ」
「いちいち説明なんかしなくてもわかってもらいたかったんだと思う」
「とくに姉さんにはさ」

1Q84では
「説明しなければわからないということは
説明してもわからないということだ」

私はこれが村上春樹の小説に対する態度なんだと勝手に理解している

いずれも東京でおこる少々不思議な物語
2話の「ハナレイベイ」原作者だとは知らず驚く
羊さんの顔がちらついて 先入観なしに読みたかったかも

最終話の「品川猿」では猿が喋って名前を盗むというところは突飛だけど
村上春樹らしくてなんの違和感もなく読み進んでしまう
わりとありがちなカウンセリングの経過ではあるけれど
主人公はもちろん高校の寮で一緒だった自殺した松中優子や
40代の区のカウンセラー坂木哲子とその夫
魅力的な登場人物についてもっとつっこんだ長編を読みたくなる

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2020年1月15日
読了日 : 2020年1月15日
本棚登録日 : 2020年1月15日

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