スリランカの赤い雨 生命は宇宙から飛来するか

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  • 角川学芸出版 (2013年11月23日発売)
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2012年にスリランカに赤い雨が降ったことから、過去に同様の実例があったこと、その前に隕石が落ちているらしいこと、などから話は、宇宙へと拡がる。

地球での生命誕生から進化の過程において、宇宙からのウィル氏(生命)が関与しているのではというパンスペルミア説。
カンブリア紀の生命大発生は『スノーボール・アース: 生命大進化をもたらした全地球凍結 (ガブリエル・ウォーカー)』という説にも、なるほど、と納得していたが、地球外からのウイルスによるものとは、新しい。

従来の進化論で説明がつかないが、パンスペルミア説で説明がつく三つの例として以下が挙げられている。

1.ショウジョウバエの一種が、地上に存在しない波長(2537オングストローム)の紫外線に反応する。

2.ソラマメの一種からヘモグロビンが検出された。

3.単球菌と呼ばれるバクテリアは地球でうける数百万倍のX線照射に耐える。

さらに、突然流行するインフルエンザなどの病気なども彗星に運ばれるウィルスが起源ではないか、といった指摘も。

人類が突然言語能力を獲得したのも、実は宇宙からのウィルスによる遺伝子の変異ではないか、という説も、確定はしていないが、おかしくはないか。

そして地球が滅びる前に、われわれは生命を維持するために、ウィルスとして宇宙へひろがっていく。それはプロメテウスを彷彿とさせる理論である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ノンフィクション
感想投稿日 : 2016年4月28日
読了日 : 2016年4月27日
本棚登録日 : 2016年4月22日

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