司法権力の内幕 (ちくま新書 1044)

著者 :
  • 筑摩書房 (2013年12月4日発売)
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感想 : 15
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私も法学部出身者として、有斐閣の団藤重光、平野龍一氏の本をほんの少しかじったものとして、非常に懐かしい名前に久々に遭遇した(笑)。

また、ミッシェル・フーコーのパノプティコンがこの本で遭遇するとは思わなかった(笑)。

憲法に裁判官独立の原則があり、裁判所では一切の上命下服がなく、組織内に指揮命令系統がないにもかかわらず、フーコーのいう「規律権力」構造により、司法権力が目に見えない形で一人一人の裁判官の心をコントロールしてしまっている。

司法権力の外からながめる景色とは程遠い内幕。

検察、警察権力との位置関係も機関としての裁判官、また、一人の人間としての裁判官が描かれていた。

神・仏でない人間が人を裁くことの難しさ。

最後の裁判員制度に期待する筆者の気持ちは解らなくはないが、少し、短絡的な感じが否めませんでした(笑)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 法律
感想投稿日 : 2015年5月10日
読了日 : 2015年5月10日
本棚登録日 : 2015年5月1日

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