
不死に憧れをいだくアメリカの大富豪を主人公に据え、いたずらに長命を願う人間の姿を風刺した作品。
ニーチェの永劫回帰を皮肉な視点から描いていると感じました。ウスペンスキーに似た雰囲気を感じましたが、ハクスリーはウスペンスキーの講義にちょいちょい顔を出していたようで納得しました。
オーソン・ウェルズがこれにインスパイアされて 『市民ケーン』 の脚本を書いたそうですが、ハクスリーがイノセンスというものを現在も存在するものとして神秘的に扱っているのに対して、ウェルズは少年期になくしてしまい二度と戻ってこない物のように扱っているのがおもしろいなあと。
- レビュー投稿日
- 2012年3月3日
- 読了日
- 2012年3月3日
- 本棚登録日
- 2012年3月3日
『After Many a Summer Dies the Swan: A Novel』のレビューへのコメント
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