医者が末期がん患者になってわかったこと: ある脳外科医が脳腫瘍と闘った凄絶な日々 (角川文庫 い 45-1)
- KADOKAWA (1999年6月1日発売)
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感想 : 11件
タイトルのままのエッセイ。
私がこの本を初めて手にし、読んだのは文庫本化されてすぐの99年。
その時の感想は「日本屈指の脳神経外科の先生が脳腫瘍になるなんて・・・なんて皮肉なんだろう・・・」というもので、すごく胸を打ったけど、それは通り一遍のものだった気がする。
この本を再度手にしたのはその2年後。当時、恋人が悪性脳腫瘍にかかり、その病名からすぐにこの本を思い出した。
一度読んでいたはずなのに、そして作者である岩田先生は亡くなっていることは知っているのに、私は祈るような思いでこの本を読んだ。
脳腫瘍という病気がどんな病気で、これから彼にどんな運命が待っているのか知りたかったから。それがどんなに残酷なものであろうと、私は知りたかった。それも専門的な見解で・・・。
そんな気持ちで読んでいて、初めてタイトルの本質に近づけた気がした。
岩田先生も医者として使命感をもって患者さんと向き合っていたと思う。
でも患者になって初めてわかったことがたくさんあったろう。何より生きたい、死にたくない、怖い・・・切実な気持ちは本人・家族にしか到底わからない。
同じように切実な気持ちで読んでいた私には岩田先生が遺したかったものがすごく伝わったし、ありがたかった。
岩田先生は最後まで名医だったと思う。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
本_エッセイ(日本)
- 感想投稿日 : 2011年2月23日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2010年11月27日
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