表題作を含む6本を収録した短編小説集。ちょっとしたきっかけで手に取った本なのですが、どの作品もそれぞれかみしめながら読まされました。本土/沖縄、この世/あの世、大人(の男)/老人・子ども、男性/女性、などなど、さまざまな対立軸が示しつつ、前者と後者のあわいに生きる人たちの姿を描きながら、前者の人々の「まなざし」(の権力性)を撃つ作品……と読みました。自分自身、先の対立図式の中では前者の側に属しているという自己意識があるので、自分の身が割かれるような感覚を、どこかに覚えます。目取真氏のほかの作品も読んでみたい、と思いました。(20070910)
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ブンガク
- 感想投稿日 : 2007年9月10日
- 本棚登録日 : 2007年9月10日
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