ドミノin上海

  • KADOKAWA (2020年2月4日発売)
3.66
  • (102)
  • (208)
  • (203)
  • (29)
  • (10)
本棚登録 : 2176
感想 : 236
3

パトカーは白と黒で、見かけは自分と同じだ。あの上に乗って、保護色──というのはさすがに無理があるな。(p201)


上海を舞台に映画監督・彫刻家・料理人・警察署長・裏の骨董品ブローカー・風水師に日本のOLと、様々な人々(やイグアナの霊やパンダや犬)が集まってどったんばったん大騒ぎな一冊。
ページ数はやや多めなものの一気に読んでしまうスピード感あふれる文章は、上手いな…!って感じ。作風の幅広さが感じられます。
動物園から脱走を企てるパンダを応援しながら読みましたが、とにかくコミカルで楽しい娯楽な作品でした。
森見登美彦の四畳半神話っぽい。

状況が次々と変わっていくお話ですが、最大のどんでん返しは奥付にありました。

──「小説野性時代」の下記の号に「ドミノⅡ」のタイトルで掲載されたものです──

…おお、続き物だったのか!道理で(前のページで見落としてたかな?)というシーンがちらほらあったわけです。
とはいってもそれを知らなくてもだいたい大丈夫な独立したお話だったようです。
続き物の後の方から読んだりするのも、いろいろ想像が膨らんで楽しいものです。

恩田陸読了3作品目。
蜜蜂と遠雷の2作がすごく良かったのでいろいろ読んでみたいです。
次は一作目のドミノを読もう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内小説
感想投稿日 : 2020年6月17日
読了日 : 2020年6月17日
本棚登録日 : 2020年6月17日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする