人類は衰退しました 3 (ガガガ文庫 た 1-3)

著者 :
  • 小学館 (2008年4月19日発売)
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本棚登録 : 1017
感想 : 71
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 「見ないで。醜いわたしを見ないでください」


人類がゆるやかな衰退を迎えてはや数世紀、なファンタジー風SF③。
今回は大長編です。映画版です。

ヒト文明についての記録を残そうという「ヒト・モニュメント計画」。
人類文明末期の、過去の未来都市遺跡を探検することになった「わたし」と「助手さん」は
何百年ぶりかに電源投入された都市の中で遭難してしまいます。
体力を使いはたし、水も尽き、命の危機の只中で見たものとは。


過去の文明視点のおかげで、妖精さんの謎や情報断絶の理由などにも少し回答が与えられてSF的に嬉しいお話でした。
スタートレックネタも出てくるし(オヤジ)。

それと滅びた未来技術が垣間見れたのも。
「スクリプトが組める人間ひとりいればどんな建物・機器・部品でも作れる流体金属、ネット上のサンプルソースで日曜大工ならぬ日曜工学」
とか「塩基計算機で見せかけの魂を得た機械」とか、上手く使ってて楽しいです。
結末も大長編らしくまとめられてます。こういう解決策か…!と。余韻もあって好きな感じですねえ。
巻を重ねるごとに満足度が上がってます。次も楽しみ。



「いきてはおれぬです?」
「あれはくるです」「ひかりとかはへいきなんだけど」「でんじばにはいられぬですな」「むりむりだー」「かきみだされるゆえ」「くるおしくなることも」「いきるちからをうしなうとのこと」「かなしみをもたらしすぎます」「こまるー」「だから」「にげなきゃです?」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内SF
感想投稿日 : 2019年8月25日
読了日 : 2012年9月9日
本棚登録日 : 2019年8月25日

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