お初の繭 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2012年9月25日発売)
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感想 : 15
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2012/12/17読了。ホラー小説大賞の受賞作。ブクログ内での評価点は低いみたいであまり期待してなかったんですが、思っていた以上に面白かったです。

製糸工場に奉公するため集められた、貧しい農村の娘たち。適性検査で繭から糸を繰る製糸部と、ヤママユガを育てる養蚕部とに分けられる。適性に太鼓判を押されて養蚕部に配属されたお初、養蚕部の仕事はなかなか始まらず、三食昼寝つきの生活が続く…。娘たちの運命やいかに。

製糸工場で何が行われているかは、読んでいる途中で想像はつきますが、そのうえで読みつづけても怖さ…というよりおぞましさ、にゾクゾクしました。
想像したことが、文中の描写によって確信に変わっていく過程も楽しめました。
ミステリーではないので、もともとこういう読み方が想定されてるんじゃないかと思います。

学生のときに実習で雌のカイコに蛾輪っていう円錐形のカバーみたいのを被せて卵を産ませたのとか、地元の子供向け体験教室でカイコの繭から生糸をとったりしたのとか、タイフードフェスティバルでカイコのサナギの茹でたのを食べたりしたことを思い出しながら読みました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: サスペンス・ホラー
感想投稿日 : 2012年12月18日
読了日 : 2012年12月17日
本棚登録日 : 2012年9月28日

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