巻を追うごとに、どんどん引き込まれていく棋士の世界。
そのストイックさや凄さを知ると同時に、その世界を魅せるものにする羽海野さんの表現力はすごいなぁと思う。
ここぞという時の人物描写がきちんと骨格を感じさせるものだから、リアリティーがあり真に迫る描写になるんだろうな。心象風景と語りを織り交ぜながらのエピソードに今回もぐいぐい引き込まれました。
孤独でストイックな棋士たちの場面、学校に居場所を見出そうとする等身大の主人公の姿、茶の間に集う家族のようなほのぼのとした食卓の場面を織り交ぜながら描き出す零の日常が、優しさと温かさに満ち溢れていて。
スケッチブックに描かれた和菓子だったり、あまやかしうどんだったり、学校でやる流しそうめんと、天麩羅の差し入れだったり、食べ物を交えた一つ一つのエピソードが魅力的。読んでたら、白玉作りたくなってきちゃった。
零とひなちゃんのことを語る大人達の話がほのぼのとしていてよかった。高校生とかいてヤングアニマルと読ませるところに笑ってしまった。
掲載が青年誌だからかもしれないけれど、女の人の描き方が魅力的だな。あかりさんの汗かいた肌に遅れ毛が素敵。
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- 感想投稿日 : 2013年10月1日
- 本棚登録日 : 2013年10月1日
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