『武士道シックスティーン』で始まった香織と早苗の高校剣道生活最後の一年を描いた三作目は、二人を支えた人達のエピソードも織り交ぜられた短編集で構成。早苗の姉の悲恋や香織の師匠の追憶なども語られ、皆、節目を経験する事で人の「真道」を悟って行く健気で真摯な姿が胸を打つ。人の真の強さとは、相手のみならず自分を取り巻く総てを思いやる心に有りと説教臭くならずに描き上げた良作。香織に取って好敵手である早苗の存在とは何であったのかを悟った瞬間の「わたしは、おまえに負けたかったんだ。」の一言にオジサンは思わず涙する。
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文庫
- 感想投稿日 : 2013年8月31日
- 読了日 : 2012年2月17日
- 本棚登録日 : 2012年2月17日
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