賢い組織は「みんな」で決める

  • NTT出版 (2016年9月8日発売)
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興味深い。解決策についてはさらに踏み込むことが必要。

・政府内の他部署から情報を得る。
情報・規制問題室OIRA

【集団はなぜ失敗するのか?】
◯正しくなくても多数の圧力があれば人は支持する。
「多数意見はどうだったか」

◯沈黙を守る理由
・情報シグナル 例 ピッグス湾事件
・評判プレッシャー

◯人が間違いを犯す理由
・利用可能性ヒューリスティック
・代表性ヒューリスティック
・フレーミング効果

◯カスケード効果による(正誤関係ない)増幅
→最初にかなりの支持を取り付けることの重要性
→会議では、自分と同意見を持つ他者に序盤にできるだけ多く発言してもらう

◯好意的な方向の評判プレッシャーは積み重なり、評価バブルの傾向を引き起こす。一方、否定的な方向の評価プレッシャーは集団的矯正が行われ、効力を失う。レヴ・ムチニク ヘブライ大教授

◯熟議による集団極化
議論前の中間値的立場へのシフト
集団内の多様性を押し潰し、意見の違う集団間の溝を深くする

◯共有知識効果
一定の情報の影響力は、集団の討議と決断の前にその情報を共有していたメンバーの数に正比例する

認知の中心にいる人よりも認知の周辺にいる人の意見を聞くべきだが、共有されていない情報は隠されたままになることが多い

【どうすれば集団は成功するのか?】
◯多様な視点を必要とする拡散とコンセンサスを作り出す決断という二つの任務を達成するには、それぞれが必要なのはどの段階かを理解し、その目的を別々に達成できるよう集団のプロセスを計画する必要がある。

◯批判的思考
・異議を唱えることこそ義務と考える取締役会議
・集団の方向性とは異なる情報でも公開することを促す

◯人が集団の成功を自分の成功と同一視するようになれば、集団の方針に関係なく、自分が知っていることを公表するようになる。
・内部告発者を受け入れる。

◯役割分担をする
・事前に専門知識を公表しておく。
・リーダーは、人々が異なる任務や役割を与えられるよう、配慮しなければならない。

◯視点を変える
・「新しいリーダーを連れてきたらどうするだろうか」

◯わざと反対意見を述べる、敵対チームをつくる
・ただし本気で反対するものでなければ効果はない。

◯体系的評価分析
規制の効果がその費用を上回らなかった場合、あるいは選択された方法が「全体として最大限の効果を生まなかった」場合、規制担当官庁はその規制を継続してはならない。
・致死率を10万分の1減らそうとするとするときに政府が拠出する金額が一人90ドル

◯陪審定理
・個人の正答率が51%を超えるときは平均値の正答率が個人の正答率を超える。

◯Challenge.gov、アメリカ競争促進法
・環境保護庁と保健福祉省は共同で16万ドルの賞金を出して、地域の大気の質を監視、報告するポータブルシステムの開発を課題

◯パブリックコメントによる散在する知識の集約
パブリックコメントで、個人ではなく集団のための知識を提供する仕組みはどのようにしてできるのか

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済・政策
感想投稿日 : 2016年12月30日
読了日 : 2017年1月1日
本棚登録日 : 2016年12月30日

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