本格小説 下

著者 :
  • 新潮社 (2002年9月1日発売)
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本棚登録 : 210
感想 : 25
4

面白かった。
小説だとしたら、登場人物たちの人間臭い魅力を描ききっていると思う。そしてもしも事実ならば、「事実は小説よりも奇なり」だ。
帯には「超恋愛小説」とあったが、著者は人づてに聞いたに過ぎず、また第三者の目線で語られているのが面白い。当人たちの主観がなく、彼らの間でどんな会話があったのか、どんな思いを抱えていたのかは推測するしかなく、想像をたくましくしてしまう。
「純粋に」人を好きになるとはどういうことだろう。自分を貫いているつもりでも、「時と場合」がモノを言う。愛情の深さは幸せに比例しない。人の心に深く入っていくことはとてもおそろしいが、それゆえの魅力と引力を持っているのかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説
感想投稿日 : 2016年2月6日
読了日 : 2016年2月6日
本棚登録日 : 2015年8月11日

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