教養としての歴史問題

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レビュー : 10
penguinlondonさん 近現代史   読み終わった 

・イギリスの歴史教科書が植民地主義の功罪を併記する、つまり植民地統治の良い面と悪い面を語ると言うことには、植民地主義の負の遺産を「個別の罪」として自省し断罪する一方で、植民地主義全体の歴史の意義、つまり、帝国建設の事業を「未開社会を文明化する使命」と位置づけた植民地主義思想を不問に付す意図が隠されているのではないか。そればかりか、そこに一定の「善」さえ見出そうとする発想が隠され、それを支える役割を果たしている。すなわち、イギリスの歴史教育は、功罪両論併記で中立的歴史観を装い、植民地支配の負の側面を逸脱した出来事と捉え、自責(remorse)や後悔(regret)を抱かせる一方で、「文明の理念」そのものには疑義を挟まない態度を寛容してきた。

レビュー投稿日
2021年1月23日
読了日
2021年1月23日
本棚登録日
2020年8月15日
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