朝日新聞のWeb「AERA-net」に、『クラムボンと猫』と題して連載された小説を加筆修正して改題。タイトルに惹かれて手に取ったものの、読むべきところは、「まえがき、あるいはタイトルのつづき」と記された2ページの詩めいたもののみ。 「夢物語」という言葉があるけれど、これは一人の女が迷い込む夢の世界のような出来事。そこでは時間がねじれ、自分は母になって身重にもなり、自分を産む、、、 懐かしく思い出されるのは幼少のころ過ごした町そして生みの母。茫洋とした幻想的な思い出の世界では、不条理な出来ごとも不思議には感じられない、、、 著者は役者さんらしく、確かに声に出して読み進めば、いかにも前衛的な演劇のシナリオのよう。しかし、他人の不可解な夢につきあうのは疲れるものだ。自分の夢にも持て余すことがあるくらいだから。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2010年11月7日
- 読了日 : 2010年11月7日
- 本棚登録日 : 2010年11月7日
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