泣かない女はいない

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本棚登録 : 432
レビュー : 102
著者 :
peperoniさん  未設定  読み終わった 

いやあ参った。表題作の「泣かない女はいない」と「センスなし」、それに「二人のデート」の3編収録と奥付けにあるのだけれど、どこにも「二人のデート」なる作品が見当たらないのだ。あれこれ調べた結果、たった2ページの掌編ながら裏表紙に収録されていて、図書館で借りた本では読めないことが判明! どうやら、読みたければ買いなさいという著者の意地悪らしい。さて、私が読むことの出来た二作品は、男のくせに女心をここまで書けるのだという見本のような作品。共にカセットテープの時代の物語で、著者と同年代の70年代生まれの人には懐かしいはず。「泣かない女はいない」は、同棲中の女性主人公睦美が職場の年上男性・樋川さんにほのかに恋心を感じていく話。ボブ・マーリーの「NO WOMAN NO CRY」をカラオケでさらりと歌い、曲の名を問われて「泣かない女はいない」とぶっきらぼうに答える樋川さんがしびれるように格好いい。「センスなし」の方は、何と「聖飢魔?」のファンとしての歴史がフューチャーされている物語だ。愛人を作って家を出ていった夫を持つ保子は「デーモン木暮」好き。その保子と「聖飢魔?」信者のみどりは中学時代からの友人同士。その二人の友情と人生が語られていく。男に裏切られた者同士のやるせなさと無常感が、背景に使われている音楽と共によく伝わってくる。これは、長嶋有が女性作家だと勘違いしてしまってもおかしくない作品だ。

レビュー投稿日
2011年1月27日
読了日
2011年1月27日
本棚登録日
2011年1月27日
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