コンビニ人間

3.61
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本棚登録 : 11351
レビュー : 1714
著者 :
しのさん 日常物   読み終わった 

★3.5

36歳未婚の古倉恵子。
大学一年の時から始めたコンビニのバイト。
大学卒業後も就職せずに、コンビニのバイトは18年目。
日々食べるのはコンビニ食、夢の中でもコンビニの仕事をしている。
完璧なマニュアルの存在するコンビニこそが、私を世界の正常な
「部品」にしてくれ、安らかな日々を過ごさせてくれていると思っている。
ある日、婚活目的の新人、白羽君がやってきて…。

芥川賞受賞作は面白くないという偏見をもっていました。
この本は、軽快で面白くとっても読み易かったです。
主人公の恵子はまさにとっても「変わった人」
喜怒哀楽という感情が乏しく、他人の感情や心理理解も不得手。
そして、目的を達成するためにとる行動が非常識に思われる。
子供の頃から普通でない考えと、行動をする恵子。
自分の何処が変なのかわからないものの、
親に迷惑を掛けないため、無口を通す。
コンビニでも細心の注意を払って言葉を紡ぎ、顔の筋肉を動かし続けている。
とっても生き辛いだろうなぁ。苦しいだろうなぁって思った。
しかし、甥っ子も他の赤ん坊も「赤ん坊」という種類の同じ動物にしか見えない。
その甥っ子が泣いて、妹が慌ててあやして静かにさせようとしているのを見て、
小さなナイフを見ながら静かにさせるだけならとても簡単なのにって、
思っている姿はゾッとした。
白羽くんは、最低最悪のとんでもなくクズ。
もーーー読んでて凄く嫌で、モヤモヤした~(*T^T)
彼に取り込まれ、世界との葛藤の中良かれと思ってした一つの選択がきっかけで、
彼女の世界が崩れてしまう…。
その混乱した様子が凄まじい。どうなってしまうのか凄く心配した。
でも、彼女は逞しかった。失ってしまったものをもう一度選ぶ。
それこそが存在する意味で、生きてゆく理由だと。
本当に良かったです。

普通から外れている彼女の生き辛さが随所から伝わってきた。
100人いれば、100の個性、それぞれ一人ずつ違ってて「普通」って何だろうって思った。
普通に生きるってどういうことかについて、考えさせられた作品でした。
社会性がなく不器用で、他者の心理状態が読み取れない人は、
現代社会の中で沢山いらっしゃると思います。
一人でも多くの人がこの問題に興味を抱き、
ムラが全ての異質を飽和できる社会になると良いんだけどなぁ…。

レビュー投稿日
2016年11月12日
読了日
2016年11月12日
本棚登録日
2016年11月5日
16
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