ライオンのおやつ

著者 :
  • ポプラ社 (2019年10月9日発売)
4.24
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感想 : 1820
4

★4.5

男手ひとつで育ててくれた父のもとを離れ、
ひとりで暮らしていた雫は病と闘っていたが、
ある日医師から余命を告げられる。
最後の日々を過ごす場所として、瀬戸内の島にあるホスピスを選んだ雫は、
穏やかな島の景色の中で本当にしたかったことを考える。
人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者が生きている間にもう一度食べたい思い出のおやつを
リクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫は選べずにいた。
――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。


ホスピスに入る…死を受け入れていたはずが、本当はもっともっと
生きたいと切実に願っていた事に気付く。
そうだうなぁ…。そんなに簡単に死を受け入れないと思う。
死ぬのが怖いって思う気持ちも凄く良くわかる。
経験した事ないもん怖いよね。
そして、端から端までクリームのぎっしり詰まった思い出の
チョココロネみたいに、ちゃんと最後まで生きる事
それが雫の目標となった。

この世でこの体があることで、毎日毎日笑ったり、怒ったり、悔しかったり…。
決して楽しい事ばかりの日々じゃないんだけど、
生きてる。生かされてるって事がとても幸せな事なんだと思った。
私もしーちゃんの様に、朗らかに元気よく、笑顔で旅立てるように
日々をきちんと生きたいと思いました。
死を迎えることは決して恐ろしい事ではないと
優しく伝えてくれました。
亡くなった皆に会いたいなぁ。猫達にも会いたいなぁ。

正直私は読むタイミングが悪かった。
先日、叔父を突然に亡くしました。
叔父の亡くなった顏…叔父との思い出。
最初はそればかりが頭の中でグルグル回っていた。
途中から物語に入り込み、叔父の顏も浮かばなくなっていましたが、
一人一人のおやつの思い出や義父との再会等…もう何に泣いているのか
わからない位泣き続けて読んだ。
こんなに涙して感動しているのに…終盤息が苦しくなっていた。
どうして…?自分でもわからない…?

家族を癌で亡くされた人やホスピスに入ってた人。
最近身近な人を亡くされた方、読むのが苦しいかも…。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 死様
感想投稿日 : 2020年3月2日
読了日 : 2020年3月2日
本棚登録日 : 2020年3月2日

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