おいしくて泣くとき

  • 角川春樹事務所 (2020年6月3日発売)
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本棚登録 : 2020
感想 : 243
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貧困家庭の子どもたちに無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』。
その店のオーナーの息子、中学生の心也は、
「こども飯」を食べにくる幼馴染の夕花が気になっていた。
7月のある日、心也と夕花は面倒な学級新聞の編集委員を押し付けられたことから距離が近づき、
そして、ある事件に巻き込まれ…。

一部の人には「偽善」と陰口を叩かれながらも、貧困家庭の子供達に
無料で食事を提供する「大衆食堂かざま」
一人息子の心也は「偽善者のムスコ」と言われ悔しく辛い重いをしていた。
心也の幼馴染でこども飯にご飯を食べに来ている夕花は、学校でいじめられ
家では働かない義父から虐待を受けていた。
心也はそんな夕花が気がかりだった。
そして、もう一つのこども飯をしている「カフェレストラン・ミナミ」のお話が並行して進んでいく。
「カフェレストラン・ミナミ」は、事故でトラックがお店に突っ込んできて大破。
途方にくれているマスターとママの元に突然隣県の工務店から電話がかかってくる…。

15歳の心也と夕花の無力さに胸が痛かった。
虐待する呑んだくれた夕花の義父が憎くて憎くて仕方なかった。
心也は無力な自分をとても責めていたが、幸せは学歴や収入で決まるのではなく、
自分の意志で判断しながら生きているかどうかっていう亡き母親の言葉を、
しっかり胸に刻んで育ってきたから、優しくて温かくてそして強い。
素晴らしいよ~♪
心也のお父さんが、またとっても素晴らしい人だった。良いなぁ。

途中でもしかして…と思いました。
こんな風にここまでリンクしているとは………。
何度もウルウルして読んでいましたが、最後は涙腺崩壊しました。
貧困家庭に虐めに虐待…。
とっても重いテーマですが、優しさ溢れる筆力で描いてくれました。
こども食堂大切ですね!
やはり、胸がじんわりと温かくなりました。
ここ最近の森沢さんの作品の中では一番良いなぁって思いました。

桔梗の花を逆さにしたようなちょっと風変わりな形の風鈴。
エミリのおじいちゃんの風鈴だ~

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 私達が暮らす国
感想投稿日 : 2020年8月2日
読了日 : 2020年8月2日
本棚登録日 : 2020年8月2日

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コメント 2件

ひとしさんのコメント
2020/08/16

しのさんこんばんは♫
私も『おいしくて泣くとき』読みました。
スゴく良かったです!
自分も中学生の頃に戻って読ませていただきました。
森沢明夫さん最高ですよね!
これからも読者が幸せになれる物語を描いていってほしいですね(o^^o)

しのさんのコメント
2020/08/23

ひとしさんコメントありがとうございます(〃'▽'〃)
レビュー拝見させて頂きました。
凄く良かったですよね~♪
私も森沢さん大・大・大好きです。
本当にこれからも心が温かくなって癒されて幸せになれる物語を描いていて欲しいって思っています。

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